衛星増加で宇宙望遠鏡画像の95%損失も―NASAが警告
米国航空宇宙局(NASA)は、宇宙望遠鏡や惑星探査機の打ち上げを増やせない一方で、衛星の大量増加と軌道上の混雑に直面している。科学予算は今年も72.5億ドル規模だが、衛星の増加で観測画像が乱れる恐れが強まり、古い探査機の落下も起きた。
衛星増加が変える宇宙観測
NASAの科学部門は今年、72.5億ドルの予算を持つが、打ち上げる望遠鏡や惑星探査機は25年前より少ない。ジェラルド・アイザックマン長官は12月の就任後、有人月探査と月面基地を重視し、アルテミス計画の見直しにも踏み出した。さらに2028年には、火星を探査するための核動力宇宙船の投入も掲げている。
一方で、衛星の増加は観測現場を直撃している。NASA主導の研究は、今後10年で一部の宇宙望遠鏡画像の95%以上が衛星の反射光で損なわれると予測した。ハッブル宇宙望遠鏡でも筋状の跡が出ており、今後はSPHERExや欧州宇宙機関のARRAKIHS、中国のサンティエン宇宙望遠鏡にも及ぶ可能性がある。
古い衛星の終わり方も、この問題の現実を示した。バン・アレン探査機Aは水曜日に制御不能のまま大気圏へ再突入し、太平洋上空で燃え尽きた。米宇宙軍は、カリフォルニア州沖で落下したと発表した。NASAは、2012年打ち上げの同型機が2034年まで残ると見ていたが、強い太陽活動で時期が早まった。
月観測の圧迫
月や火星に関するミッションへの関心が高まる一方で、NASAは以前より少ない望遠鏡や惑星科学ミッションしか打ち上げていない。NASAの科学予算は今年、2020年価格換算で約72億5000万ドルで、2000年当時とほぼ同水準だ。
軌道上の衛星増加
軌道上の衛星が増えるにつれ、反射光が宇宙望遠鏡の画像に筋状の痕跡として現れる問題が深刻になっている。NASA主導の研究によると、今後10年で一部の宇宙望遠鏡の画像の95%以上が影響を受ける可能性がある。
小型衛星の量産が課題
NASAの科学責任者は、量産された小型衛星の調達を望んでいる。小型衛星をより多く調達できるようになれば、NASAの科学プログラムにも変化が生じる可能性がある。








