ベイカー・アンド・テイラー停止で米国図書館が新刊確保に苦戦
米国の公立図書館は、最大手の書籍供給会社ベイカー・アンド・テイラーの事業停止を受け、新刊の確保に苦戦している。イリノイ州エルジンの図書館地区でも代替先探しが続き、棚に本を並べる作業が遅れ、利用者への案内も変わった。
供給停止が広げた遅れ
ベイカー・アンド・テイラーは、公立図書館向けの主要供給会社として長く使われてきた。Natalie Kiburg氏は、同社が棚入れ用の整理や処理、定期購入の仕組みまで支えていたため、図書館は人手不足と資金不足を補えたと述べた。会社は10月に大半の従業員を解雇し、モメンスの流通センターで働く人の多くも対象になった。今月で事業を終える見通しだという。
この停止で、全米の図書館には資料到着の大きな遅れが広がったと報じられている。ゲイル・ボーデン公立図書館地区は窓口職員に説明を徹底し、利用者の注文が無視されたのではなく、別の入手経路を探していると伝える体制に改めた。カナダでは、オンタリオ州の小規模図書館が電子書籍の費用負担に悩み、より安い州全体の仕組みを求めている。
供給網再編の痛み
図書館の混乱は、一社への依存が長く続いた反動だ。ベイカー・アンド・テイラーの事業停止で、発注や整理の流れが一気に崩れた。代替先を探しても、同じ水準の処理を短期で再現しにくい。
利用者の不満は、単なる配送遅延では収まらない。職員が窓口で説明し直す負担も増え、館内の作業配分が変わる。新刊の到着遅れは図書館の運営全体を鈍らせる。
図書館業務の空白
今回の混乱が特異なのは、本の供給だけでなく、整理や定期購入の仕組みまで一気に失われた点だ。公立図書館は単に仕入れ先を変えるだけでは回らず、棚に並ぶまでの工程そのものを組み替える必要がある。短期の代替は効きにくい。
しかも、図書館側は人手不足と資金不足を抱えたままだ。供給会社が担ってきた事務作業が消えると、職員が利用者対応に割ける時間が減る。新しい取引先が見つかっても、現場の負担はすぐには戻らない。
代替先探しが長引く
各図書館が複数の供給先を組み合わせる動きが進むと予想される。だが、棚入れ用の処理まで任せられる先は限られ、到着の遅れはなお残る可能性が高い。利用者向けの案内も当面は続く。
一方で、取引条件が合わなければ、図書館は発注数を絞るとみられる。そうなれば、新刊の点数や入荷の速さは以前より落ちる。








