米国のイラン戦で原油備蓄400万バレル急減
何が起こったか
国際エネルギー機関は、4月に世界の石油在庫が1日当たり400万バレル減り、3月と4月の合計で2億5000万バレルが取り崩されたと明らかにした。ホルムズ海峡(イランとオマーンの間)での輸送制約が続き、産油国の供給損失は累計10億バレルを超えたとされる。
起こった背景
複数の報道によると、米国とイスラエルによるイランとの戦争は13日目に入り、ホルムズ海峡(イランとオマーンの間)を通るタンカーの流れが戻っていない。米国の平均ガソリン価格は1ガロン3.54ドルに上がり、1か月前の2.92ドルから約20%高い。さらに、石油価格は月曜のほぼ100ドルから火曜の88.15ドルへ下がったが、依然として戦前の約70ドルを上回っている。
供給不足はなぜここまで深刻なのか
供給不足が深刻なのは、ホルムズ海峡のタンカー交通が制限され、原油の流れが戻りにくいからである。国際エネルギー機関は、4月に1日約400万バレルが備蓄から取り崩されたと示し、在庫の減少が世界市場の緩衝材を削っていると警告した。市場は産油国の減産だけでなく、輸送の不安そのものを織り込んでいる。
このため、価格は単なる一時的な乱高下では済まない。供給が細れば、精製や物流のどこかで詰まりが出やすくなり、燃料全般に波及する。さらに航空燃料も夏の需要期と重なりやすく、価格上昇の圧力が長引く可能性が高い。
これって何が重要?
重要なのは、原油高が中東情勢だけでなく、米国の備蓄や世界の物流まで巻き込む局面に入った点である。戦略石油備蓄の放出は価格を和らげるが、ホルムズ海峡の混乱そのものは消せない。つまり、備蓄は時間を買う手段にすぎず、供給回復の代わりにはならないのである。
市場への影響も広い。原油が上がれば、輸送費、石油化学製品、航空運賃の順で負担が広がりやすい。
今後の予測
今後1〜3ヶ月は、原油価格が高止まりしやすいと予想される。戦闘や船舶への攻撃が続けば、1バレル100ドル台の定着もあり得る。反対に、通航制限が緩み、備蓄放出が広がれば、急騰は和らぐ可能性がある。ただし、供給回復が遅れれば値下がりは限定的である。
日本では、ガソリン価格の上昇が遅れて効いてくるため、家計への影響はじわじわ広がる見通しである。軽油や灯油も同じ流れをたどりやすい。企業側では、運送費と在庫調達費の変化が早く出るため、燃料を多く使う業種ほど負担が増えやすい。








